なめまわし皮膚炎
クセにならないうちに治したい「なめまわし皮膚炎」
なめまわし皮膚炎とは、肌が乾燥しがちな冬場などによく見られる口の周りの皮膚の炎症のことです。
子供は身の回りに起る不快感を我慢することができないものですが、そのため肌が乾燥しやすい季節になると口元の肌のカサカサを補おうとするため舐め回しをしてしまうことがよくあります。
口元周囲を何度もなめまわしていると、それにより肌に余計な刺激が与えられるとともに、濡れた口元から気化熱によってますます乾燥が進んでしまうので肌荒れが起こってしまいます。
もともとアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状がある人の場合、肌に与えられる刺激によって炎症が起こりやすくなっているので早くから発症をします。
他の皮膚炎となめまわし皮膚炎が異なるのは、肌荒れが起る場所が限定的でありかつ炎症を起こしている部分とそうでない部分の境界がくっきりしているということです。
最初は軽い炎症であっても、発症した炎症によるかゆみや痛みを和らげようとするためにさらになめまわしをするようになりどんどん症状が進んでしまうということが起こります。
口の周りが丸く炎症が起こってきたら、早めに皮膚科を受診するようにしそれ以上なめまわすクセが続かないように保湿剤を処方してもらうようにしましょう。
こまめな保湿と炎症の治療が最善
なめまわし皮膚炎の場合、その原因がはっきりしている分予防もしやすいと言えます。
普段から口の周りをペロペロしているようなら、クセをやめさせるために指導をしたり市販の保湿クリームをつけるようにして舐める頻度を減らしていきます。
大人になるとそうしたクセは自然になくなっていくものですが、一度クセになるとなかなか子供一人で矯正することは難しいので保護者の方がしっかり指導をしていくべきと言えます。
小児科医によってはそうしたなめまわしのクセは、爪をかんだり髪の毛を抜いたりするのと同じようなストレス性の行動であるとする人もいます。
確かにそうした側面が全くないわけではありませんが、実際に発症する子供のほとんどはストレスとは関係なく肌が乾燥する不快感を解消しようとして行っています。
あまり精神面の問題として深く捉えすぎてしまうと対処方法を誤ってしまうこともあるので、とりあえずは対処療法として目下の傷やかゆみをとることに集中した方がよいでしょう。
アレルギー症状のある子どもの場合、直近に食べた食品によって発症してしまうこともあるようです。
山芋や里芋のようなネバネバした成分を含む食品は口元に触れることでアレルギーを起こしてしまうこともあるので、もし発症のタイミングが食事のあとなら何をどんなふうに食べたかもメモしておきその旨をかかりつけの小児科に説明するようにしてください。