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子どもの病気

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

顔周りが大きく膨れる「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」

おたふくかぜは、子供がかかりやすいウイルスによる急性伝染病の一つです。
正確にはおたふくかぜという名称は通称で、「流行性耳下腺炎」が病名となっています。

通称である「おたふくかぜ」というのは日本に古くからあるお面である「お多福さん」から来たもので、病気になることにより耳の後ろから頬のあたりまでが大きく膨れてしまうことに由来しています。

罹患をすることで顔の形が大きく変わってしまうので、保護者としてはその見た目にびっくりしてしまうということがよくあります。

しかし目で見てわかるほど変形する人もいれば、見た目にははっきりそれとわからない程度の炎症で進行する人もいるので素人目で判断することはできません。

名前だけ見ればコミカルな病気ですが、実際には重篤化することもあるとても怖い病気であり合併症が起こってしまうことにより後遺症や障害となって残ることもあります。

子供のうちに罹患をすれば免疫がつきその後二度とかかることがないのですが、問題は子供のときに罹患せずに過ごし大人になってから罹患してしまう場合です。

成人してから罹患したおたふくかぜは非常に重篤化しやすく、合併症から脳炎などの治療が難しい症状に進行してしまうことも珍しくありません。

早期発見とともに安静にして過ごしましょう

子供のうちにかかるおたふくかぜでは早期発見が最も重要なポイントになります。
子供の場合体に不調があってもそれを上手に言葉にできないということもよくあるので、なんとなく具合が悪いとは思いつつも普段通りに遊んでいたりします。

早期発見の鍵となるのは周囲の発見で、なんとなく顔が大きくなったように感じたり、下膨れしているように思ったら早めに小児科を受診するようにしましょう。

一般的なおたふくかぜの症状としては、38℃近くになる高熱が出て耳の後ろあたりから大きな腫れができます。
おたふく風邪の原因になるウイルスは耳下腺という耳の後ろで発症するので、首や耳の後ろ~顎までのフェイスラインに痛みが生じます。

ひどい場合には腹痛や頭痛といった症状が併発したり、食欲不振や倦怠感といった全身のだるさを発症することもあります。

子供の場合は高熱や痛みといった症状は1~2日程度でなくなり、顔の腫れがゆっくりと引いていくという形で治ります。
顔の形が戻るまではだいたい1週間程度がかかりますので、その間は合併症が起こらないよう安静にしてください。

顔が腫れると顎を動かすのがつらくなるのでどうしても食欲が落ち込んでしまいますが、そうしたときにはおかゆやうどんなど消化がよくて栄養のある柔らかいものを作ってあげ、十分に水分をとらせることを心がけてください。