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子どもの病気

急性虫垂炎

激しい腹痛が症状の「急性虫垂炎」

急性虫垂炎は別名「盲腸」と言われることもある腸の器官で起る疾患です。
盲腸の手術を受けたことがある人もたくさんいることと思いますが、急性虫垂炎が最も多く発症するのは10代とされています。

早い場合には2歳くらいから発症する例もありますので、体の調子についてのコミュニケーションがとりづらい未就学児では注意をしていく必要があります。

逆に2歳以下の子供で発症するケースは極めてまれと言われますので、自分で移動ができるようになってきたあたりから注意すべき病気です。

急性虫垂炎が盲腸と言われるのは、そのものズバリ腸の中にある「盲腸」と言われる部分で起るからです。
人間の腸のしくみは胃で消化されたあと小腸を通りそれから大腸へと至ります。

このとき小腸と大腸の境目にあるのが「盲腸」で、小腸の終点部にある回腸から数センチ外側にはみ出るような形になっていいます。
その盲腸の下部に小指大についているのが「虫垂」で、盲腸は食べたものが大腸に送られる際に盲腸や虫垂に入り込み炎症を起こすことで急性虫垂炎となります。

虫垂部分の炎症が起る原因は一つではなく、細菌が入り込む場合や糞石ができてしまう場合、寄生虫や異物が侵入した場合などさまざまです。

現在では外科手術をせずに治療も可能

医学的には急性虫垂炎として分類される症状は「カタル性」「化膿性」「壊疽性」の三種類があります。
このうちもっとも症状が軽いのは「カタル性」であり、「壊疽性」が最も重い症状になります。

壊疽性の急性虫垂炎の場合には発症後腹膜炎に進行してしまうことが非常に多くなってしまうのでできるだけ早めに治療をすることが重要になります。

急性虫垂炎の特徴的な症状として、それまで全く健康に過ごすことができていたはずの人が急激に強い腹痛を感じるようになるということがあります。

痛みは最初は上腹部から始まり、それが数時間をかけて右下腹部に限定的に起るようになっていきます。
痛みとともに吐き気や寒気、発熱を伴うこともよくありますが、いずれにしても最初は広い範囲で起こっていた痛みが次第に部分的になっていくということで共通しています。

お腹の右下のあたりにある回腸部を指で押したときに強い痛みを感じる場合にはほぼ急性虫垂炎であると思って間違いなく、医師の診断もそうした触診によって行われます。

このとき気をつけたいのが、痛みが強いから重症、軽いから軽症という相関関係がないということです。
自覚症状としてあまり痛みのない虫垂炎が非常に重篤なものであるということもありますので、きちんと医師の診断や検査を受けて対処していくことが重要です。

最近では急性虫垂炎の治療にすぐ手術をするということは少なく、ほとんどが化学療法によって対応します。