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子どもの病気

はしか(麻疹)

重症化すると障害になることもある「はしか(麻疹)」

はしか(麻疹)は、ここ数年成人の罹患数が急増しているということで話題になっている病気です。
しかし本来は子供のうちに罹患することが多い病気として知られており、一度かかることで二度かかることがない病気としても有名です。

はしかの大きな特徴となっているのが「受動免疫」があるということで、過去にはしかにかかったことがある母親から生まれた新生児の場合、生後数ヶ月ははしかにかかることはありません。

受動免疫が切れるのはだいたい2~6歳くらいのことで、保育所や幼稚園といった集団生活をするところで感染者がいるとあっという間に集団感染が起こってしまいます。

はしかの原因となるのは「麻しんウイルス」というもので、感染力が非常に高いことに加え感染をすることで重篤な症状を生み出す合併症につながることもあるものとして小児科でもかなり警戒されています。

そのため国内では「麻しんウイルス」を撲滅するための運動を起こしており、2015年には世界保健機構(WHO)から「麻しん排国」としての認定を受けるに至っています。

しかしながら依然としてはしかで小児科を受診する乳幼児や、内科を受診する成人が後を絶たないことを見ると海外からウイルスが持ち込まれているということが考えられます。

子供のうちに罹患もしくは予防接種の徹底を

はしかの主な症状としてはまず高い熱と鼻水、咳、めやにといったものが挙げられます。
流行しやすいのは春先と秋口なのですが、ここ最近の傾向を見るとそうした法則はあまり当てにならず年間を通して罹患の危険性があります。

感染は麻しんウイルスが体内に入ることによって起こり、飛沫感染など粘膜や口腔内に病原菌が入ることによって発症します。

潜伏期は10日程度とされており症状が出始めてからはカタル期、発疹期、回復期といったように順番に進行していきます。

はしかの怖いところは重症化しやすく、その場合に後々まで残る障害になりやすいということです。
重症化の例としては気管支炎や肺炎、脳炎といったものが挙げられます。
体力のない人が罹患し重症化した場合にはそのまま亡くなるといったケースもありますので、他の感染症とは違った厳重な注意をする必要があります。

最悪の場合には亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という難病にまでなることもあり、はしかが治ったあと数年してから知能の障害や痙攣といった形で発症します。

はしかは一度罹患すれば二度とかかることがなく、また子供のうちにしっかり予防接種をしておくことにより防ぐことができます。
定期接種として生後1年と小学校入学前の2回が勧められていますが、その他にも任意で受けることができるようになっています。